熊本県水俣市や天草市、鹿児島県出水市などに住む50代から100歳代の人たちは手足のしびれなど水俣病特有の症状があるにもかかわらず、水俣病に認定されていない人を救済する特別措置法で救済の対象外とされたのは不当だなどとして、国と熊本県、原因企業のチッソの3者に1人当たり450万円の賠償を求めています。
国の救済策の対象は、水俣湾周辺の「対象地域」に1年以上住んだ人で、チッソが有機水銀の排水を止めた翌年の1969年11月末までに生まれた人としていて、裁判ではこうした救済策の基準の妥当性などが争われました。
これまでの裁判で国などは「水俣病を発症する程度の水銀を摂取したとはいえない」などとして、訴えを退けるよう求めています。
去年9月、同様の集団訴訟の初めての判決で大阪地方裁判所が原告全員を水俣病と認め、国など3者に賠償を命じ、いずれも控訴しています。
11年前に始まった熊本地裁の裁判は、これまでに原告が1400人に上り、このうち審理が先行していた144人に22日、判決が言い渡されることになっていて、裁判所が救済対象をどう判断するか、注目されます。