一般道路での車の法定速度は現在、道路交通法の施行令で、「時速60キロ」と定められています。
住宅地や商業地にあって道幅も狭いいわゆる「生活道路」でも、区間を指定して最高速度を設ける標識や標示がある場所をのぞき、時速60キロまでの走行が可能になっています。
3年前に最高速度の標識などがなかった千葉県八街市の道路で飲酒運転のトラックが児童5人を死傷させる事故が発生するなど、歩行者や自転車の安全確保が課題になっていましたが、生活道路に標識や標示をくまなく設置するには、財政面の限界もありました。
こうした中、政府は23日生活道路での法定速度を現在の時速60キロから時速30キロまで引き下げることを盛り込んだ道路交通法の施行令の改正を閣議決定しました。
センターラインや中央分離帯のない道路で、目安として道幅が5.5メートル未満の狭い道路などが対象となっていて、現在、標識などがない生活道路の多くが含まれる見通しです。
新たな速度規制は、再来年9月から始まる予定で、政府は今後2年間かけてドライバーなどへの周知を図ることにしています。