これは、9日開かれた文化庁の審議会、世界文化遺産部会で決定されました。
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」は、奈良県明日香村と橿原市、桜井市の6世紀末から8世紀初めにかけての飛鳥時代の文化財からなります。
天武天皇などの宮殿があったとされる明日香村の飛鳥宮跡や極彩色の壁画が見つかった高松塚古墳、橿原市の藤原宮跡など22の文化財が構成資産として盛り込まれています。
文化庁の審議会は選定理由について、東アジアの古代国家形成期において、中央集権体制が誕生し成立した過程について、宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産だとして、顕著な普遍的な価値が認められるとしています。
また、これまで構成資産の保護が課題でしたが、基本的には十分な保護措置を受けているとして、推薦が適当だとしました。
一方、審議会では、推薦書は英文で提出する必要があり、名称を分かりやすくするため名称から「その関連資産群」を外して「飛鳥・藤原の宮都」として推薦するということです。
今後、政府は9月末までに暫定版の推薦書をユネスコに提出し、ユネスコの諮問機関による事前審査を経て、早ければ2年後の世界遺産委員会で登録されるかどうかが決まります。
世界文化遺産をめぐっては、政府は滋賀県にある「彦根城」について3年後の2027年以降の登録を目指しています。