この中で、サーローさんは「被爆者として心から大きな喜びを感じています。本当におめでとうございます。日本被団協は核戦争がいかに筆舌に尽くしがたい悲惨を人間にもたらすかを世界に伝えるため、結成から68年間、被爆体験のつらい記憶を語り、私たち在外被爆者とともに核兵器廃絶を訴えてきました。私も広島での大学時代に大変お世話になった森瀧市郎先生をはじめ、先人が苦労に苦労を重ねて被爆者援護の道を切り開いてきた団体でもあります」として、日本被団協の設立に関わり、代表委員を務めた森瀧市郎さんとの関わりについて述べながら祝意を示しました。
そのうえで、サーローさんは「この受賞決定の一報を生きて聞くことができなかった原爆犠牲者が数多くいます。あの日、体が溶けるようにして一瞬のうちに命を奪われた無念の死者たちの存在に、改めて思いを巡らせています。そのような数々の死をむだにせず、2017年のICANとあわせて今回の受賞を真に意義あるものにするには、核兵器廃絶を一刻も早く実現させるしか道はありません」と、原爆で亡くなった人や活動を続けてきた人たちに思いをはせながら核廃絶の必要性を訴えました。
そして「私たちのかけがえのない地球と人間の将来を守るため、核保有国並びに、私の母国である被爆国日本と私が住むカナダなど核依存国は、核兵器禁止条約に今すぐ参加すべきです。日本被団協の皆さんはもとより世界の市民と手を携えて、これまで以上に強く訴えていく決意を新たにしています」とコメントしました。