東京商工リサーチによりますと、去年1年間で上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えいや紛失事故の件数は175件で、前の年より10件増え、2012年に調査を始めてから過去最多を更新しました。
情報漏えいの原因で最も多かったのは「ウイルス感染・不正アクセス」の93件で、中でもファイルなどを勝手に暗号化し、身代金の要求に使われる悪質なプログラム、ランサムウエアによる被害が多く見られました。
また、去年1年間で漏えいした個人情報は4090万8700人分で、前の年のおよそ7倍となり、こちらも過去最多となりました。
具体的な事例としては、NTT西日本の子会社の元派遣社員が928万人分の個人情報を持ち出したり、中古車販売大手「ガリバー」の運営会社のサーバーがランサムウエアに感染し、顧客の個人情報などおよそ240万件が流出したりするなど、100万人以上が漏えいしたケースが8件ありました。
東京商工リサーチでは「増加傾向にあるサイバー攻撃の被害が引き続き増えたことと、情報管理の意識欠如など人為的な事故が多いことが去年の特徴だった。セキュリティー強化と不正防止を目的としたガバナンスの徹底が求められる」としています。