建設業界では物流業界と同じく、4月から始まる時間外労働の規制強化で人手不足が深刻化する「2024年問題」が懸念されています。
政府はほかの産業よりも賃金が低い一方で、労働時間が長いとされる建設業の労働環境を改善し、担い手の確保につなげようと、建設業法や関連する法律の改正案を閣議決定しました。
この中では、大工や左官など建設現場で働く人たちの労務費に目安を設け、建設業者に対し、これを大きく下回る額で見積もりを依頼した場合、法律に基づく勧告や業者名を公表できる措置を導入します。
また、契約後に資材の高騰などが生じ、受注業者側が契約変更を申し出た際は、発注業者側に協議に応じる努力義務を課します。
さらに、業界でも特に残業が多い現場監督については、専任の担当者を置く要件を緩和し、より大規模な工事でもデジタル技術を活用して、1人が複数の現場を掛け持ちできるようにします。
人手不足の緩和のほか、人員に余裕が生まれ、休日の確保がしやすくなるなどの効果が期待されます。
このほか、長時間労働につながると指摘されている、著しく短い工期での受注も禁じます。
この法律の改正案について、政府は今の通常国会での成立を目指したいとしています。