1995年、通勤客などが無差別にねらわれたオウム真理教による地下鉄サリン事件では都内を走る3つの路線で猛毒のサリンがまかれ、14人が死亡、およそ6300人が被害に遭いました。
20日で事件の発生から29年になるのを前に、被害者の会の代表世話人で事件で夫を亡くした高橋シズヱさんや弁護士などが法務省などを訪れ、小泉法務大臣と公安調査庁の浦田長官に要望書を手渡しました。
要望書では、教団の後継団体から被害者、遺族への適切な賠償が行われるよう協力することや、後継団体への観察処分を継続すること、風化を防ぐために事件の記録や資料を保存することなどを求めています。
後継団体の1つ、「アレフ」をめぐっては、3か月ごとに活動実態を公安調査庁に報告するよう義務づけられているほか、公安審査委員会が教団施設の利用や寄付を制限する再発防止処分を適用しています。
要望の後、都内で会見を開いた高橋さんは「オウム真理教の教義が残り、それを信じる後継団体が活動しているという状況には現在も恐怖を感じる。危険性を排除するような対策を考えてほしい」と話していました。