8月4日に来日したアムヘルト大統領は、8日午前11時に皇居にある御所を訪れ、天皇陛下が笑顔で出迎えられました。
天皇陛下は皇太子だった10年前、国交樹立150周年の節目にスイスを公式訪問していて、宮内庁によりますと、会見で「今回の訪日を歓迎します。特に160周年での来日は、日本とスイスの関係にとって、たいへん意義深いものです」と述べられたということです。
これに対し、大統領は「日本とスイスは、自由や民主主義といった共通の価値に基づいて、関係が非常に強化されてきています。ともに世界の平和に協力しているということは喜ばしいことです」などと述べたということです。
およそ25分の会見では、10年前の公式訪問について話がはずむ中、山好きで知られる天皇陛下が当時、みずから撮影したスイスの山々の写真を取り出して見せられ、大統領が「実はこれと同じ風景が、首都ベルンにある自分の執務室から見えます」などと話す場面もあったということです。
話題は、さらに地球温暖化にも及び、天皇陛下が「氷河の後退や将来的な水不足といった問題にどう対応をされていますか」と質問されると、大統領は「地球温暖化で気候が激しくなって、水害の被害が頻繁に起こるようになっています」などと述べたということです。