福島第一原発の1号機から3号機では、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリがあわせておよそ880トンあると推定され、極めて強い放射線を出し続け容易に近づけないことから、その取り出しは「廃炉最大の難関」とされています。
事故から13年余りがたつ中、政府と東京電力は、初めてとなる数グラム程度の試験的な取り出しを2号機で始める計画で、今月16日には、取り出し装置の使用前に行う検査で、安全性に問題はないとして原子力規制委員会から合格証を受領しました。
東京電力は19日開いた会見で、19日から現場での最終的な確認を進めていて、問題がなければ、今月22日に格納容器の内部に通じる配管に装置を入れて試験的な取り出しに着手すると発表しました。
作業はほとんどが遠隔操作で行われ、デブリがある格納容器の底まで装置を進めるのに少なくとも数日はかかる見通しで、デブリをつかんだ上で格納容器の外に取り出すのは早くても来週以降になるとみられます。
核燃料デブリの取り出しは、2021年までに始めるとした当初の計画から3年遅れていて、取り出しが順調に進むのか注目されます。