日本の海上保安庁は、アジアを中心とする各国で海上保安機関の能力向上を支援していて、10日にベトナム中部のクアンナム省で行った研修には、ベトナムの海上警察の職員16人が参加しました。
南シナ海では、中国などの外国漁船による違法な操業が相次いでいます。
研修では、違法操業の船舶に立ち入り検査を行う場合などを想定し、相手の手首を固めて動きを止める制圧術の基本を、海上保安官が実際に体を動かしながら伝え、ベトナム海上警察の職員が、その場で教わった内容を確認していました。
中国が南シナ海で海洋進出の動きを強める中、日本は、これまでに中古の巡視船をベトナムに供与しているほか、新たに建造する巡視船6隻を供与することで合意するなど、協力の強化を進めています。
海上保安庁の鈴木基則上席派遣協力官は「ベトナムを含む東南アジア諸国の海域は、日本にとっても非常に大事だと考えている。相互の連携を強化していきたい」と話していました。