58年前の1966年に今の静岡市清水区で、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件の再審で、26日、静岡地方裁判所は袴田巌さん(88)に無罪を言い渡しました。
袴田さんは、死刑への恐怖のもと長期間収容された影響で意思の疎通が難しくなり、再審での出廷が免除され、姉のひで子さん(91)が本人の代わりに法廷で無罪の判決を言い渡されました。
一夜明けた27日、ひで子さんは報道各社の取材に応じ「いい裁判で、すばらしい一日でした」と振り返りました。
ひで子さんは26日夜、浜松市の自宅に帰宅したあと、袴田さんに無罪が言い渡されたことを伝えていて、このときの様子について「『無罪になったよ』、『心配いらんよ』と言いましたが、黙りこくってわからないようでした」と述べました。
27日朝、新聞の記事を見せながら改めて説明したということで「なんとなく表情がちょっと明るくなり、顔が紅潮していました。残念ながらことばは発しませんでしたが、たぶんわかっているのかな。毎日、少しずつ言っていこうと思う」と話しました。
また、自身の体調については「疲れていたのでぐっすりと眠りました。けさ血圧がいつもより下がっていたのでうれしかったです」と述べました。