起訴されたのは、安倍派に所属していた衆議院議員で、自民党を除名された池田佳隆被告(57)と、会計責任者を務めている政策秘書の柿沼和宏被告(45)です。
東京地検特捜部によりますと、池田議員らは、おととしまでの5年間に安倍派「清和政策研究会」から4826万円のキックバックを受けたにもかかわらず、みずからが代表を務める資金管理団体の政治資金収支報告書に寄付として記載しなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。
関係者によりますと、特捜部の調べに対し、2人はいずれも黙秘しているということです。
特捜部は、先月、池田議員の事務所など複数の関係先を捜索しましたが、関係者によりますと、特捜部の調べに対し池田議員の別の秘書が「議員の指示で事務所のパソコンをドライバーなどの工具で壊した」などと話していて、池田議員の指示で証拠隠滅を図った疑いがあるということです。
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐり、特捜部はすでに安倍派、二階派、岸田派の会計責任者や元会計責任者、それに国会議員など合わせて8人を政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で立件していて、一連の事件で起訴されたり略式起訴されたりしたのはこれで10人となりました。
一方、特捜部は、池田議員側にキックバックした分を派閥の政治資金収支報告書に支出として記載しなかったとして告発されていた安倍派の幹部ら8人については、嫌疑なしで不起訴にしたことを明らかにしました。