9年前、東洋ゴム工業、現在の「TOYO TIRE」が製造した、国の基準にあうようにデータが改ざんされた免震装置が全国のマンションや病院など全国154棟で使われていたことが明らかになりました。
この問題をめぐって、株主の男性は、元社長など歴代の経営陣4人が、製造した免震装置が国の評価基準を満たしていない疑いがあったにもかかわらず、出荷停止の判断や国への報告をせず、会社に損害を与えたなどとして訴えを起こしました。
26日の判決で、大阪地方裁判所の谷村武則 裁判長は「元取締役の2人は評価基準に適合しない製品が出荷されないようにするべき立場だったにもかかわらず、注意義務を怠り会社に損害を与えた。元社長など経営陣が速やかに国に報告しなかった姿勢は会社の信用を大きく失墜させた」などとして、合わせて1億5000万円余りを会社に支払うよう旧経営陣4人に命じました。
この問題では東洋ゴム工業や当時の経営陣は刑事責任は問われず、民事責任についてどう判断されるのかが焦点となっていました。