高齢化に伴って救急搬送される高齢者が増えていますが、厚生労働省によりますと、大半は軽症や中等症にもかかわらず入院中に身体機能が低下し、病気は治ったのに退院できず、入院が長引くケースがあるということです。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省は病気の治療に加え、早期のリハビリや栄養管理で身体機能の低下を抑えたり、在宅医療や介護との連携で退院に向けた支援を行ったりする仕組みを備えた「地域包括医療病棟」を新設する方針です。
ことし6月からの診療報酬改定で、この病棟の入院料は患者1人当たり、1日3万500円と一般の病棟よりも高く設定されます。
また、このほかの病棟でも、栄養管理やリハビリなどを複数の職種で連携して行うことで報酬が加算されます。
厚生労働省は高齢者人口がピークを迎える2040年ごろに向けて、患者が病状に合わせて適切な医療を受けられるよう、介護などとの連携も深めていき、高齢者を地域全体で支える体制を整備する考えです。