去年12月の早朝、岸和田市小松里町で、51歳の全盲の息子と付き添っていた母親の大久保春江さん(当時82)が車にはねられ、春江さんが死亡し、息子が大けがをしました。
この事故で岸和田市の無職、岩井拓弥被告(31)が、酒を飲んで車を運転して2人を死傷させたとして、危険運転致死傷の罪に問われました。
これまでの裁判で、弁護側は起訴内容を認め「運転代行を呼ぶつもりだった」と主張し、検察は「新車を見せたいという理由で車で忘年会に向かい、朝まで酒を飲んだ」などとして懲役12年を求刑しています。
24日の判決で、大阪地方裁判所堺支部の武田正裁判長は「事故を起こすまでの間にも蛇行を繰り返すなど、酒の影響で正常な運転ができないことを認識できたにもかかわらず運転を続けたのは危険極まりない」と指摘しました。
そのうえで「安易に自動車を利用し、飲酒運転を軽視する態度は明らかで、なんら落ち度のない母と全盲の子どもを巻き込んだ結果は重大だ」などとして、懲役12年を言い渡しました。