東海道新幹線では先月22日、始発前に愛知県内を走行していた保守用の車両が、前に止まっていた別の保守用の車両に追突して双方が脱線し、始発からダイヤが大幅に乱れました。
このトラブルについてJR東海は5日会見を開き、原因などについて明らかにしました。
それによりますと、追突した9両編成の保守用車両のうち、少なくとも3両で車輪の回転を止めるブレーキの力が大きく低下していたことがわかったということです。
このため、東海道新幹線で最も傾斜の大きい現場の下り坂を走行した際、スピードを十分に落とせず、前の車両に追突したということです。
ブレーキの力が大きく低下していたことについては、使用前のブレーキの点検がこれまでメーカーの想定とは異なる誤った方法で続けられていたことが原因で、本来は、使用停止にする状態だったにもかかわらず、気づけなかったとしています。
また、今回のトラブルの直前には、作業員が社内のルールに反し、一部のブレーキの点検を行っていなかったこともわかったということです。
正しい点検方法についてJR東海は現在、すべての作業員を対象に教育を進めていて、今後、マニュアルに記載するということです。
会見したJR東海の川越洋 施設部長は改めて陳謝したうえで、「点検方法を正しく伝えていなかった管理の問題だと認識している」などと述べました。