海上自衛隊トップの酒井海上幕僚長は、9日の会見で、複数の艦艇などで国の安全保障にかかわる「特定秘密」の情報を資格のない隊員に取り扱わせていたことについて、「防衛省全体として調査を行っているところであり、現時点でコメントは差し控えたい」と述べ、自身の進退についても明らかにしませんでした。
一方、川崎重工業が、海上自衛隊の潜水艦の修理をめぐって裏金を捻出し、隊員に金品や飲食などを提供していた疑いについては、「隊員に服務規律違反の疑いが起きていることを非常に重く受け止めている。事実であれば信頼を大きく損ねる事案となり、決して許されるものではない。調査を厳正に進めるとともに、特別防衛監察に対し全面的に協力していく」と述べました。
そのうえで、隊員が潜水を行った際に支給される手当を不正に受け取っていた問題も含め、海上自衛隊でさまざまな不祥事が指摘されていることについて、「国民の皆様に大きな心配をかけているのは疑いのない事実で、組織のトップとして非常に重く責任を痛感している。どのような教育や指導、訓練をすればよいかも含めて、今後、対策を講じて再発防止にあたりたい」と述べました。