逮捕されたのは無職の矢野洋平容疑者(44)です。
警察庁のサイバー特別捜査部や、警視庁など16都道府県の警察による合同捜査本部によりますと、矢野容疑者は去年1月、他人のIDやパスワードを勝手に使ってインターネットバンキングの口座にアクセスし、残高を確認するなどしたとして不正アクセス禁止法違反の疑いがもたれています。
被害が深刻化しているネットバンキングを悪用した不正送金のグループの首謀者とみられ、合同捜査本部は矢野容疑者がすでに逮捕されている9人を含むグループのほかのメンバーに指示して口座の残高などの情報を入手させたり、送金先の暗号資産の口座を作らせたりして不正送金を繰り返していたとみています。
警察庁のサイバー特別捜査部は、警察庁が全国の事件の捜査を直接行うために専門の知識や技能をもった職員を結集させた組織で、暗号資産の送金の流れなどを解析し、矢野容疑者の関与を確認したということです。
合同捜査本部は、矢野容疑者らのグループがこれまでに少なくとも20件、1億2000万円以上の不正送金に関わったとみて、捜査を進めています。