福島第一原発の2号機では、9月10日から、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの試験的な取り出しに向けた作業が始まりましたが、取り出し装置を格納容器の内部に入れたあと、9月17日になって先端についている2台のカメラで映像が確認できなくなる不具合が発生し、作業はおよそ3週間中断しています。
東京電力は、高い放射線の影響でカメラの回路に電気が蓄積して不具合が起きたと推定し、装置を格納容器の外に戻したうえで電源を入れたり切ったりして復旧を試みましたが、状況は変わらなかったということです。
このため、原因は特定できていないものの、カメラが故障した可能性があると考えて復旧を断念し、予備のカメラに交換する方針を決めました。
交換作業は装置を原子炉建屋の中に設置したまま行うということで、放射線量の高い建屋内で安全に行えるかどうか模擬訓練を行って確認したうえで実施するとしていて、作業の中断はさらなる長期化が避けられない見通しです。