雷の観測に力を入れている民間の気象会社「フランクリン・ジャパン」によりますと、7月は関東の1都6県では、およそ7万2000回の落雷が観測されたということです。
これは、去年までの10年間の平均4万9500回のおよそ1.5倍で、特に東京都がおよそ4倍、埼玉県がおよそ3倍と多くなっています。
また、8月も19日までに1都6県で、およそ5万4900回の落雷が観測されていて、すでに過去10年間の8月の平均5万3200回を上回っています。
気象会社によりますと、関東地方では落雷が増えている一方で全国では平年を下回っているということで関東地方の増加の要因について、気温の高い状態が続いたことや、高気圧の張り出しが弱く、暖かく湿った空気が入りやすかったことを挙げています。
落雷のメカニズムに詳しい防衛大学校の小林文明教授は、9月にかけても大気が不安定になりやすい状況は続くとして、注意を呼びかけています。
小林教授は、「ことしの夏は、特に関東周辺で雷や突風が起きており、少なくともあと1か月は不安定になりやすい状態は続くのではないか。9月は台風や秋雨前線もあり、竜巻も多い季節なので、日頃から空もようの変化に注意してほしい」と話していました。