今月23日、東北・北陸・上越の各新幹線で停電が発生し、長時間にわたって運転を見合わせたトラブルで、JR東日本は、架線の張りを調整する部品が破断した結果、架線が垂れ下がり、走行中の列車が接触したことが原因だとみられるとしています。
このトラブルについて30日、JR東日本が会見を開き、新幹線統括本部の池田裕彦本部長らは「多くのお客様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします」などと、改めて陳謝しました。
そのうえで、今回、破断した部品についての暫定的な対策として
▽東京・大宮間では新しいものに取り替えるほか
▽新幹線全線では今回のような破断が起きても架線が垂れ下がらないよう、部品の付近に新たに金具を取り付けると明らかにしました。
金具の取り付けはことし7月末までに行うとしています。
また、破断した部品は、設置から38年が経過していましたが、今回、新幹線にある490か所の同じ部品をJRが調べたところ、社内で取り替えの基準としている30年を超えて使用しているのが半数余りにのぼることも明らかにしました。
これについて会見した鉄道事業本部の加藤修副本部長は「30年を1つの目安として、使用する環境や個別の状態に応じて取り替え計画を立てている。今回のトラブルを非常に重く受け止め、計画を見直したい」と述べ、今後、構造が比較的単純で破断などのリスクが少ないバネ式の装置などへの取り替えを前倒しして進める方針を示しました。