国立感染症研究所によりますと、去年1年間に報告された性感染症の梅毒の患者のうち、妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」と診断された子どもの数は速報値で37人と、1999年にいまの方法で統計を取り始めてから最も多くなりました。
過去5年間は20人前後で推移していて、大幅な増加となっています。
先天梅毒の子どもは、皮膚の異常や難聴といった症状が出たり、発達に遅れが出たりするおそれがあります。先天梅毒の急増を受けて、日本産科婦人科学会は先月、先天梅毒への注意の呼びかけを発表しました。
呼びかけでは梅毒に感染する妊婦が急増しているとした上で、「自分、パートナーそして生まれてくる赤ちゃんを梅毒の感染から守るために、妊娠前に梅毒に感染していないことが重要です」として、コンドームを使わないなど、リスクのある性行為があった場合は男女ともに検査を受けるよう強く求めています。