三重県桑名市にある多度大社で毎年5月に行われる「上げ馬神事」は、南北朝時代から続くとされる伝統の神事で、馬に乗って急な坂を駆け上がり、最後の高さ2メートル近くある壁を乗り越えた回数で農作物の作柄などを占います。
去年の神事で馬が転倒して骨折し、殺処分となったことなどから、動物虐待だという批判が神社などに寄せられ、馬や人がけがなどをしないよう地元の人たちが対策を協議してきました。
その結果、ことしからは、坂をゆるやかにし、馬が乗り越える最後の壁を撤去して行うことが決まりました。
さらに、神事で走る馬に事前に坂で訓練させることや、万が一のけがに備えてすぐ近くに馬運車や獣医師を待機させるといった改善策をとったうえで、例年どおり5月に実施するということです。
また、馬への暴力や威嚇行為を一切行わないよう、3月以降、神事で馬と関わるすべての人に講習会を受講させるということです。