「文化財防火デー」は、昭和24年1月26日に奈良の法隆寺で起きた火災で国宝の壁画が焼けたことを教訓に定められました。
これに合わせて、国の重要文化財に指定されている中央区の築地本願寺で訓練が行われ、東京消防庁や寺の関係者などおよそ40人が参加しました。
訓練に先立って、能登半島地震の犠牲者に黙とうがささげられました。
訓練は、首都直下の大地震で寺の建物から出火したという想定で行われ、はじめに寺の職員でつくる自衛消防隊が来館者の避難を誘導したり、文化財が入った木箱などを持ち出したりしたあと、初期消火を行ったうえで消防に通報しました。
続いて、通報を受けて駆けつけた消防隊員が建物の屋上に取り残された人をはしご車を使って救助しました。
最後に、消防隊員や地元の消防団員が建物に向けて一斉に放水しました。
京橋消防署の奥田芳範予防課長は「訓練を通じて国民の貴重な財産である文化財を守っていく機運が今まで以上に高まってほしい」と話していました。