現在の場所 > リスト > 文章

福島第一原発事故から13年“最長40年で廃炉”計画に不透明さも

11/03/2024ソース : 匿名数字をクリック : 1867

福島第一原発では、13年前の東日本大震災の巨大地震と津波の影響で電源が失われ、運転中だった3基の原子炉で核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が発生、大量の放射性物質が放出されました。

1号機から3号機で溶け落ちた核燃料が周りの構造物と混ざり合った「核燃料デブリ」はあわせておよそ880トンにのぼると推計され、冷却に使う水や地下水などが汚染水となって増え続けています。

この汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水は1000基余りのタンクに保管され、処分が懸案となってきましたが、東京電力は、去年8月、政府の方針に従い、基準を下回る濃度に薄めた上で海への放出を始めました。

ただ、反発した中国による日本産水産物の輸入停止措置は、半年余りたったいまも続いていて、影響は長期化しています。

また汚染水を処理する過程では、去年10月に放射性物質を含む廃液を浴びた作業員が一時入院したほか、先月7日にも浄化装置から放射性物質を含む水が漏れるトラブルがあり、地元の福島県などからは東京電力の安全管理に厳しい目が向けられています。

一方、廃炉最大の難関とされる「核燃料デブリ」の取り出しをめぐっては、今年度末までに2号機で試験的な取り出しに着手する計画でしたが、装置の投入が進まずに、ことし1月に断念しました。

改めてことし10月までの開始を目指していますが、取り出し開始の延期は3回目で、当初の計画から3年近く遅れることになります。

また、3号機で始めるとしている本格的な取り出しは開始できる見通しも立たない中、今月8日、国の専門機関が、本格的な取り出し向けて原子炉などに充填(じゅうてん)剤を流し込んでデブリごと固めて取り出す新たな工法を一部で活用するよう提言しました。

東京電力は、今後1年から2年ほどかけて実現性などを検証するとしていますが、提言をまとめた前の原子力規制委員会委員長、更田豊志さんは「廃炉全体のロードマップを考えるといつまでも手をこまねいているわけにもいかないので、一つの転機となるよう提言させてもらった」と話すなど、最長40年で廃炉を終える計画は不透明さを増しています。

ランキング
12/07名古屋高速 バスが側壁に衝突 乗客3人けが ハンドル誤操作か
名古屋高速 バスが側壁に衝突 乗客3人けが ハンドル誤操作か...[detail]
25/09「医師の偏在」専門家交え検討会で本格的に対策協議へ 厚労省
「医師の偏在」専門家交え検討会で本格的に対策協議へ 厚労省...[detail]
03/02【被害状況】石川 能登地方の一部地域で停電続く(2月3日)
【被害状況】石川 能登地方の一部地域で停電続く(2月3日)...[detail]
25/09巨大IT企業規制の新たな法律施行に向けルールづくり 公取委
巨大IT企業規制の新たな法律施行に向けルールづくり 公取委...[detail]
20/09静岡市の斜面崩れ 下山希望者のヘリ搬送続く 夕方まで140人余
静岡市の斜面崩れ 下山希望者のヘリ搬送続く 夕方まで140人余...[detail]
05/03LINEヤフー情報漏えい問題 総務省 経営体制に踏み込む行政指導
LINEヤフー情報漏えい問題 総務省 経営体制に踏み込む行政指導...[detail]
23/03教科書検定 歴史2点「未了」に 公表前に検定内容外部に漏れる
教科書検定 歴史2点「未了」に 公表前に検定内容外部に漏れる...[detail]
01/02愛知 武豊町 火力発電所火災 警察と消防が現場検証
愛知 武豊町 火力発電所火災 警察と消防が現場検証...[detail]
20/09知床観光船事故 斉藤国交相「国の責務を果たしていく」
知床観光船事故 斉藤国交相「国の責務を果たしていく」...[detail]
28/0820歳以上の男性で肥満は31.7% 10年間で増加傾向 厚労省調査
20歳以上の男性で肥満は31.7% 10年間で増加傾向 厚労省調査...[detail]