この事件は、高級腕時計の持ち主と、借りて使いたい人の「シェアリング」を仲介する「トケマッチ」というサービスを運営していた大阪の会社が、ことし1月末に突然解散を発表し、持ち主が預けていた多数の腕時計が返却されないままになっているものです。
警視庁は、会社の代表を務めていた福原敬済容疑者(42)が、高級腕時計の「ロレックス」を持ち主に無断で古物商に売却したとして、業務上横領容疑で逮捕状を取り、指名手配しています。
これまでの取材で、持ち主が預けていた腕時計の一部が、インターネットオークションにかけられたり、フリマアプリで販売されたりしていたことが分かっていますが、会社の解散発表の直前にあたることし1月、会社に預けられた腕時計が、東京や大阪など複数の都府県の古物商などに相次いで売却されていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。
福原元代表は、会社が解散を発表した当日の1月31日に中東のドバイに向けて出国したことが分かっていて、警視庁は今後、元代表を国際手配して行方を捜査するとともに、腕時計の売却を計画的に進めていた疑いもあるとみて、事業の詳しい実態を調べることにしています。