ことしの春闘は1月24日に事実上スタートし、2月1日、経団連の十倉会長と連合の芳野会長が都内で会談しました。
この中で、経団連の十倉会長は「とくに物価動向を重視し、ベースアップを念頭に置きながら、できるかぎりの賃金引き上げの検討と実施を呼びかけるなど、昨年以上に果敢に取り組む」と述べました。
これに対し、連合の芳野会長は「価格転嫁や価格交渉がことしの春闘の要だ。経団連の企業がその流れに先手をつけてもらうようにお願いしたい」と述べ、賃上げの勢いを維持するため、人件費を含めた価格転嫁の実現に向けて取り組むことで一致しました。
十倉会長は会談後、記者団に対し、「持続的な物価と賃金の好循環に持っていきたいというのが共通認識のひとつだ。連合とはベクトルが同じなので、それを加速させることにお互いの熱量をかけるべきだ」と述べました。
会談後、芳野会長は「今回の春闘では労務費を含めた価格転嫁がどのくらい実効性のあるものにできるかが争点だが、経団連からしっかりとやっていくという言葉をいただいたので、そこに期待をしたい。連合としては中小・小規模事業所の交渉が終わるまで、春闘の機運を高め続けていきたい」と述べました。
ことしの春闘では
▽「連合」が去年を上回る、5%以上の賃上げを求める方針を掲げ、
▽「経団連」もこの水準について理解できるとしていて、
労使ともに30年ぶりの高い賃上げ率となった去年を上回る賃上げが必要だという認識です。
中小企業への広がりに加えて、非正規雇用で働く人の賃上げも課題となっていて、賃上げの勢いを維持してデフレからの完全脱却につなげられるかどうかが焦点です。
ことしの春闘は2月中旬に自動車などの労働組合が要求書を提出し、交渉は本格化します。